深い闇を感じる体操女子コーチのパワハラ問題

体操女子の宮川選手のコーチだった速見氏が宮川選手に暴力をふるったりしたことにより、日本体操協会から無期限の登録抹消処分が課された問題が混とんとしています。当初はここ最近の日大アメフット水球女子、ボクシング協会などのスポーツ界のゴタゴタも影響してか、速見元コーチ完全悪という印象を受けました。速見元コーチ自身も暴力を認めていたことで完全に黒という感じでした。しかし、ここにきて事態が少し複雑化しているようです。速見元コーチの指導を受けていた宮川選手自身が「パワハラとは感じていない」とのコメントを発表しました。

宮川選手は所属チームとの契約を解除し当面は無所属で活動するという状況のようです。宮川選手がパワハラとは感じていないにも関わらず、なぜ速見元コーチは処分されることになったのでしょうか。この問題が明るみになり報道され始めた当初は宮川選手の名前も出てきていなかった記憶があります。そうしたことからも報道の受け取り側からしてみれば、選手側が度重なる暴力に耐えかねて日本体操協会に告発したのではないか、そのため選手側の名前の公表はしなかったのではないかという思いでいたのですが、最近の報道では、話はそれほど単純ではないという感じです。今後29日には宮川選手自身が記者会見を開く予定にしていますし、宮川選手サイドでは速見元コーチの処分に対し不満がある印象を受けます。

よく推理小説などでは真犯人はその事件が起きて一番得をする人だといわれますが、今回のケースで一番得をする人というのが見えてきません。仮に宮川選手が不満があり、コーチの処分を望んで告発したとなればこの図式も成り立ちますが、そうではないようなので、日本体操協会の関係者あるいは第3者が何らかの理由で速見元コーチを貶めたとも考えられます。パワハラの認定は客観的な基準というものがなく、ケースバイケースとなってしまうこともあります。

宮川選手が引き続き速見元コーチの指導を受けたいと考えている以上はパワハラとは認定されないと思いますが、速見元コーチ自身も暴力を認めている時点で問題が複雑になっているような気がします。宮川選手が速見元コーチにお灸をすえる程度の目的で告発したのか、はたまた日本体操協会の関係者が日頃から速見元コーチを快く思ってなくて罠にかけるためにこのような事態になったのか、もしくは速見元コーチが諸々の環境に嫌気がして自白したのかなど、想像すればいろいろな仮説が成り立ちそうですが、いずれにしろ29日の宮川選手の会見で何らかの答えがでそうです。

こういった問題が起こるたびに選手ファーストという言葉が出てきますが、東京オリンピックを目前にしてスポーツ界全体がなにか浮足立っている印象も受けます。本来の選手ファーストが実現するように望みます。

ライターの運営サイト・介護の転職サイト・派遣会社ランキング